ネトルベインを入手したところで、時間もちょうどいいから昼食にしよう。
この近くで、どこか休める場所はないだろうか。
うろうろしていると、ノルド遺跡らしきものを見つけた。
形からして、それほど規模の大きなものではなさそうだ。
スカイリムでは、ノルド遺跡にはドラウグルが山賊かのどちらかしか生息していない。
ここは山賊の住処になっていたようだ。
軽く山賊を片付けて、あたりを探索する。
ノルド遺跡とはいっても、墓ではないらしい。
絶壁に向かって突き出したこの場所は、まるでドラゴンと会話を楽しめそうな場所だ。
高所からの景色を眺望し、昼食にする。
山賊達もちょうど昼時だったようだ。焼きかけのスキーヴァの皮をしっかりあぶり、栓を開けたばかりらしいハチミツ酒をいただくことにした。
満腹した。
日が傾かないうちに、ハイフロスガーを目指すとしよう。
街道をしばらく行くと、見覚えのある場所に辿り着く。
懐かしい。ヘルゲンを脱出してすぐこの道を行き、ここいらで山賊の襲撃にあったカジートキャラバン達の無残な末路を見たのだ。
ここは山賊達の待ち伏せポイントなのだろう。死んだカジートをつついていたら、無一文の私も山賊に襲われそうになったのだ。
この切り株の裏なんぞ、格好の隠れ家に……。
軽い気持ちで切り株の裏手に回ったら、山賊が三人そろって腰かけていた。
さらにもう二人……。
山賊達、まさかこんな簡単に見つかるとは思ってなかったのだろうか。むしろ隠れているのを簡単に見つけられてしまったのが恥ずかしかったのだろうか。
「隠れてません。歩き疲れたから休んでいるだけです」的な様子を決め込んで、いっさい襲い掛かってこない。
ここはあれだ。声をかけることなくさっさと立ち去ってやるのが、慈悲かもしれない。
リフト地方へ向かう山道へ入る。この道もずいぶん通り慣れたものだ。
この辺りを狩場にしている騎馬の狩人も、お互い顔なじみになった。
道が険しいゆえに、ここを通る旅人は限られているのだが、今日はとてもお高くとまった貴族に会った。
わざわざこの道を通るということは、よほどの急ぎか訳ありかだ。
嫌味たっぷりの彼が貴族なら、私は君子だ。こういった危うき輩には関わらないことにする。
黄金色に舞う木の葉が眩しい白樺の林に出た。
ここからすっかりリフトの景色だ。
後はイヴァルステッドまで一直線……と思いきや、狼に襲われる。
どうやらキナレスの加護が切れていたらしい。
私一人ならやり過ごすところだが、今はリディアが一緒だ。心苦しいが、退治させてもらおう。
今度こそ、イバルステッドまでの散歩をのんびり楽しむとしよう。
夕暮れの光が綺麗だ。雪だらけのスカイリムでは貴重な風景だ。風は相変わらず鱗を刺すように寒いのだが。
おや、ヘラジカの死体が。
恐らく先ほどの狼が仕留めたものだろう。
ありがたく鹿肉をいただくことにする。今夜の夕食は豪勢になりそうだ。
日暮れ間にヴァイルマイヤーの宿へ。
鹿肉をあぶり、冷えたアルトワイン、パンと一緒にいただくことにする。
明日はハイフロスガーへ向かい、グレイビアード達に講和条約の話をしに行こう。
登山中、石碑に祈るのも忘れないようにしないとな。キナレスの加護で野生動物と平和的に接することができるのは、大きな安心だ。大自然の驚異が厳しすぎるスカイリムでは、旅人の必須加護ではないだろうか。
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