ホワイトランとハーフィンガルを貫く街道が通っているだけあり、ひなびた村とはいえ村人達はよそ者の旅人を見慣れているようだ。村で遊んでいた子供も、恐れげもなく話しかけて無邪気な夢を聞かせてくれる。冒険は、いつでも子供たちの憧れだ。
この村は農業でかなり潤っているようだ。街道沿いなので旅人相手に商売をしてもかなり大儲けできそうだが、そういったことまで気が回るほど商売っ気のある者はいないらしい。ひたすら畑の手入れをしているだけだ。
こちらの青年も、冒険に憧れているらしい。子供の夢が生涯の夢になったか。
父親が反対しているというが、そうだろうな。私も無責任に応援するわけにはいかないので、農業に従事していた方がいいんじゃないかと言うにとどめた。
村唯一の宿で、ようやく昼食だ。焼き魚、蒸した蟹の足にハチミツ酒。
大使館から無一文で放り出されたが、なんだかんだで懐に持ち合わせができている。以前からすればバターを飲み物がわりにせずにすむようになっただけも、かなりの進歩だ。が、節約はせんとな。今夜の夕食用にどこかで蟹でも捕まえようか。
村の周辺で蟹を探したが、さすがにいなかった。無駄なことで時間を費やしてしまい、出発が午後1時に伸びてしまう。ホワイトラン到着は、また夜遅くになってしまいそうだ。まあいい。この道はそれほど危険ではないし、天気も最高だ。
スカイリムの気持ちのいい風に吹かれて開放的な景色の中を一人歩いていると、冒険者冥利を感じる。あの村の青年も、一つどころにとどまるより、こちらの生活の方が向いているのかもしれないな。
ただし冒険には常に不測の事態がつきものだ。
たとえば素晴らしい景色に見とれている時、何の前触れもなく炎の魔法で視界が真っ赤になるとか。
誰だ貴様は、どうして私を襲うんだ!
全く身の覚えがない。だが相手が問答無用で襲い掛かってくるなら、こちらも容赦なく対応させていただく。
こんな狼藉は、金輪際二度と繰り返さず絶えて久しくやめていただきたい。
二度目は決してないだろうが。
やはり冒険は危険だ。定住できる場所があるなら、そこを死守すべきだ。私は強くその思いをかみしめる。
はやいところブリーズホームを買う金を貯めたいものだ。そのためにも食費を切り詰め、自足できるところは自足せねば。あの巨大なカニの甲羅が見える池付近で、今夜の夕食を確保するか。
午後7時過ぎ。ようやく西の塔が見えてきた。ここまで来たらホワイトランまであともうひと踏ん張りだ。
さすがに少し疲れているようだな。塔の左上の空に、つがいの鹿が浮いているのが見える。そういえば、ブリトルシン峠近くでも木の上空に鹿が浮いているのが見えた。大使館潜入からようやく見知った土地に戻ってきて、気が緩んでいたのかもしれぬ。
夜10時を回ると、空にオーロラがでた。これは見事だ。やはり冒険は素晴らしい。あちこちの土地へ行かないと、こういう珍しいものはなかなかお目にかかれないものだ。定住は、年半分くらいにしておいてもいいかな。
バナードメアへ到着し、見知った孤児には1ゴールドを渡して自分にはエールを買った。
台所を借りて蟹のはさみを塩ゆでに、夕食とする。
例の宿屋の常連は今日もいて、何気なく同じベンチに腰掛けてきた。うーん、やはり隣には座らないで欲しいな。おそろいの衣装を着て、仲間だと誤解されても困る。私はホワイトランの警備状態には、何の異論もないのだ。
さて、新しい家に新しい鎧。入り用なものが少しずつ増えてきた。私のスカイリム生活も、順調に定着してきたということか。
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1. 無題
RP丁寧で好きです。これからもひっそり見てます…
Re:無題
これまで通り素手縛りシャウトオンリーのグレイビアードスタイルで、アルドゥイン打倒を目指します!