【分岐あり会話の作成】
会話をもう少し続けてみましょう。
Branchのちょっと暗めのオレンジの背景上で右クリック>Add topicを選択。Branchに新しいTopicを加えます。
新しいTopicの画面が出るので、「ID」「Topic Text」を入力。
セリフも前と同じようにして作成します。「Priority」は会話の分岐では使用しないのでそのまま。
「道が分かるか?(選択肢)」→「そんなことくらい分かっている。私の知性を見くびらないでもらいたい」という会話ができます。
新しいTopicに追加したセリフ(Info)の設定です。
「道に迷ったようだ」の会話選択肢からつながる会話なので、条件や「Hours until reset」は特に設定していません。
「GetIsID」でアンカノを指定するくらいはやったほうがいいかもしれません。
条件を追加すると、その条件を満たした時だけ選択肢「道が分かるか?」が出てきます。他に表示できる選択肢が存在しなければ、ダイアログが強制的に閉じられて会話が終了してしまいます。
二つのTopicができました。さて、会話を繋ぎます。会話の流れに従って、矢印を次の会話に引っ張るだけの操作です。
Topicを一度クリックして選択すると、「何?」のInfoの右中央の枠に「×」のしるしが出ます。Infoの上にカーソルを寄せると手のマークに変わるので、この状態でドラッグ&ドロップして隣のTopicに繋いでください。手のマークがうまく出ないときは、Topicの枠を少し広げてください。
連結できました。選択中の矢印は、頂点に小さな四角がでます。
間違えたら、矢印を選択して右クリック>Break linkを選ぶと削除できます。
今回の例ではどちらのTopicもInfoを一つだけしか持っていないので分かりにくいですが、会話のリンクは各Infoと次のTopicとをつなぐものです。
もう一つ新しいTopicを追加します。
「気にするな(選択肢)」→「どこへ行こうというのかね」という会話。
「どこへ行こうというのかね」という会話の設定です。こちらは「Goodbye」を設定して、ダイアログを閉じることにしました。
「道に迷った」と言っておきながら、「気にするな」と自分から会話を打ち切ってしまう、ひどい流れをイメージしています。
分岐のある会話ができました。
矢印が何本伸びているのかよく分からない表示になっていますが、見た目は気にしません。矢印はあまりきれいに図示されないです。
Topicの上部が薄オレンジなのが「Starting Topic」、グレーのが普通のTopicです。
プレイヤーが話しかけた時、NPCが選択肢として最初に表示できるのは「Starting Topic」だけです。グレーのTopicは、リンク元のInfoを通じてしかアクセスすることができません。
つまり分岐を含む非常に長い会話を作成した際、全てのセリフを一つのBranchだけで作ると、困ったことになります。プレイヤーが話の途中でTabキーを押して会話を打ち切ってしまった場合、もう一度プレイヤーがNPCに話しかけると、最初の会話からやり直しになってしまいます。
そこで、長い会話をいくつかのBranchに分けて作ってみましょう。それらのBranchをリンクで繋げば、会話の途中からでも再開できるようになります。
通常の会話であれば、Scriptを使って会話のフラグを仕込めば、ここまで話した、続きはこのTopicから、の区別がつけられます。
一方で重要な会話の場合、話を途中でキャンセルできても、話が終わるまで別の会話をして欲しくないことがあります。Branchの設定の一つ、「Exclusive」を利用するとScriptを駆使しなくても比較的簡単に実現できます。
【Exclusive Branch】
「道が分かるか?(選択肢)」→「そんなことくらい分かっている。私の知性を見くびらないでもらいたい」のやり取りに対して、別Branchを新設して続きの会話を作ってみます。
同じView内に「SL00CFVAncanoExclusive」という新しいBranchをこのように作りました。
「ええと……(Starting Topic)」OR「本当に?」→「案内してくれ」「どうしたらいい?」という二つの話し始めと二つの会話選択肢を含んだ会話です。アンカノとの会話の続きなので、各セリフの条件は何も設定していません。
このままだと「ええと……」という選択肢が「道に迷ったようだ」という選択肢とともにアンカノとの会話に並んでしまうため、これを防ぐ設定がいります。
Branchの背景色の上で右クリック>Edit branchを選択すると、Branchの種類の変更ができます。
新設したBranchの種類を「Normal」に変更します。これでこのBranchのStarting Topicが一般的な会話選択肢としてダイアログに並べられることはなくなります。
また、やや特殊な設定である「
Exclusive」にチェックを入れておきます。
これにチェックの入ったBranchは、いったん自分が持つTopicの会話が再生されると、Blocking Branchのように振る舞いはじめます。プレイヤーが途中で会話をキャンセルしても、次に話しかけた時、強制的に自分のStarting Topicで会話を独占してきます。会話が進んで別のBranchのTopicへ移ると、ExclusiveなBranchは役目を終えます。
プレイヤーに絶対聞かせたい長話をこまめに分割し、プレイヤーが途中で話を中断してもある程度前の話題から会話が再開できるようにしたい場合、「Exclusive」にチェックの入ったNormal Branchを作ると便利です。
Quest「MQ106」のデルフィンとの会話が参考になるかと思います。まとめてきくと結構な長話ですが、所々でExclusiveにチェックの入ったNormal Branchで話が小分けにされています。
「そんなことは分かっている。私の知性を……」のセリフから「本当に?」の会話のリンクへ繋ぎます。
アンカノが自分の知性についてコメントした後、「本当に?」の選択肢が出るようになります。そして会話をキャンセルせずにその選択肢を選ぶと、ExclusiveのBranchに突入します。アンカノが「なに?これは何の真似だ。お前が何をたくらんでいるか分かるまでどこへも行かさんぞ」と答え、「どうしたらいい?」と「案内してくれ」の二つの選択肢がでます。
一度「本当に?」の選択肢を選ぶと、以降、アンカノに話しかけるとBranchのStarting Topicである「質問しているのは私だ」のInfoが再生され、再び二つの選択肢が出るのみとなります。一度入ったら自力では抜け出せない、ある種、アリ地獄みたいなBranchです。
ExclusiveなBranchから抜けるために、二つの会話分岐を選んだ後、別BranchのTopicへ話がつながるようにしましょう。
「どうしたらいい?」と「案内してくれ」のTopicから、最初に作ったBranchの「気にするな」のInfoへそれぞれつなぎました。「気にするな」の選択肢を選ぶとようやくExclusiveのBranchから抜け出せます。これでアンカノとの不毛な会話が完結します。
逆に「気にするな」を選ぶまではずっと、アンカノは「質問しているのは私だ」と言って二つの選択肢「どうしたらいい?」と「案内してくれ」を出し続け、他の会話ができなくなります。
【リンクの種類】
会話のリンクにはいくつかの種類があります。
特にこのゲームでは、プレイヤーが会話の途中でキャンセルボタンを押して会話を打ち切ることができます。この会話の打ち切りも、選択肢の一つとして扱うことができます。
最初に作ったBranchです。
「道に迷ったようだ」から「道が分かるか?」「気にするな」の二つに会話が分かれています。
ここで二つの選択肢どちらも選ばずキャンセルで会話を打ち切った場合、自動的に「気にするな」の選択肢が選ばれたのと同じ結果が得られるよう、リンクを修正します。
「気にするな」へ向かう矢印を選択して、右クリック>Mark as Walk Awayを選択します。
矢印が赤色になります。
これまでどおり二つの選択肢を出しますが、プレイヤーがどちらも選ばずキャンセルすると赤い矢印でリンクされた選択肢が選ばれたものとして処理されます。
この場合キャンセルボタンを押すと、アンカノは「どこへ行こうというのかね」と立ち去るプレイヤーの背中に向かって言うことになります。
Exclusive Branchから伸びる矢印は普通のリンクなので、「案内してくれ」や「どうしたらいい?」の選択肢を選んだ際はちゃんと「気にするな」の選択肢が出ます。
リンク元である「道に迷ったようだ」のInfoを開きました。
赤枠で囲った部分が、会話のリンクの設定本体になります。Dialogue Viewではリンクの矢印を引っ張ってInfoとTopicをつなぐ視覚的な操作を行いましたが、こちらでもリンクを作成削除できます。
「LinkTo:」の一覧にあるのが、次のTopicにつながる会話選択肢です。ここでの並び順が選択肢の並び順になります。並び順を変えたければ一度リンクを削除して、順番にリンクをつなぎ直します。
上にある「Invisible Continue」は、リンク元の会話が終わると、選択肢を出すことなくリンク先のInfoを続けて再生することができる設定です。そのためここにチェックを入れる時は、リンク先のTopicは一個だけに限定されます。会話の分岐があるところで「Invisible Continue」は使えません。
下にあるのが先ほどリンクを変更した「Walk Away」です。会話が途中でキャンセルされると、ここに設定されたTopicの選択肢が選ばれたとみなして、設定されたTopicのInfoを再生します。
隣に「Walk Away Invisible In Menu」というのがあります。これにチェックをいれてみましょう。
実際の画面で確認するとこうなります。
「気にするな」の選択肢が消えます。プレイヤーからすると選択肢ひとつの会話に見えますが、ここでキャンセルボタンを押すと「気にするな」のTopicが選ばれてしまいます。隠し選択肢のようになるので、面白い使い方ができるかもしれません。
Dialogue Branchを使用した会話の作成は、だいたい以上のようになります。これにScriptなどを絡ませると、より複雑な会話の分岐や制御が行えるようになります。
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